☆わさびのお話

■わさび 山葵 ワサビアジャポニカ(Wasabia japonica)

わさびはアブラナ科ワサビ属の半陰性多年生植物である。日本原産とされ、日本では全国各地の山間渓流に自生し、また冷涼な場所で多く栽培されています。根茎はすりおろすと辛味と風味をもち、日本特有の調味料、香辛料やわさび漬として利用されています。 わさび
        5月20日撮影

■わさびの歴史

書物に本わさびが登場したのは、「本草和名」(918年)という薬草辞典に山葵と記されたのが始めてとされています。 江戸時代の初め頃に静岡県有東木でわさびが栽培されるようになったが、徳川幕府への献上品として珍重されていたため、庶民には馴染みのないものだったようです。

■わさびはなぜ辛い?

わさびをおろすと辛味がでるのは、辛味のもとである「シニグリン」が、おろすことによって細胞が破壊され、酵素「シロミナーゼ」で分解され、「アリルからし油」という辛味成分に変わるからです。

■わさびの種類

沢わさび、畑わさび、ワサビダイコン、ユリワサビなどがあり、一般的にわさびというと、沢わさびと畑わさびをさし、植物学上はまったく同じものです。
ワサビダオコンは西洋ワサビで、主に粉ワサビが原料となっています。市販されている練わさびや粉わさびは、わさびではなくワサビダイコン(西洋ワサビ)が原料です。

■わさび田

わさび田の様式は、渓流式、畳石式、地沢式、平地式などがあり、地方により異なりますが、渓流式は山口県や島根県の中国地方で、畳石式は静岡県伊豆半島地方で、地沢式は東京都奥多摩地方や山梨県で、平地式は長野県穂高地方でそれぞれ採用しており、栽培期間は1年半から3年です。
わさび田
わさび田

■わさびの栽培方法と産地

沢わさびは、涌き水や沢水(年間を通して13℃前後)を利用して人工的に築田した「わさび田」で栽培されます。また畑わさびは、冷涼で湿気の多い杉林や畑地で栽培されます。
わさびの苗を10月〜4月に植付、3月〜4月頃には新芽がでて、茎葉の成長期に入ります。4月中旬には純白色のかわいい花が咲き、気温が上昇する7月〜8月には生育が抑制されます。9月中旬には再び成長し、12月ごろまで伸び続けます。3年位たつと子根茎が成長し、親根茎は腐敗してしまうので2年半以内で収穫します。

わさびの生産は北海道から九州北部で栽培されています。沢わさびの主要産地は長野県、静岡県、島根県、岐阜県などで、東京都の奥多摩でも栽培されております。畑わさびは山口、鳥取、広島、長野県などで栽培されています。最近では台湾、タイ、インドネシア、中国からの輸入ものも増えています。

■わさびの品種

わさびの栽培は古いですが、各産地ごとに自生のものから自然環境下で選抜したものを、栄養繁殖によって維持増殖してきたので、品種の系列文化は明らかでない。また、水質や気候条件などの環境になじみやすく、色や大きさが異なるため実際には無限に近い品種があると思われます。 代表的な品種として、だるま、真妻、みどり、まるいわ、静系、島根3号などがあります。

■本わさびのおろし方

わさびは繊維が多く、組織が緻密なので、なるべく細かいおろし金で時間をかけてすりおろすほうが、酵素作用が進んで香りと辛味が増します。できれば、鮫皮でやさしく「の」の字を書くようにおろす方がより香りと辛味が増します。少量の砂糖を加えると更に辛味が増します。

■本わさびの保存

生わさびは、茎の部分を切り取って水分を拭き取り、ラップでしっかりと包み、更に厚手のビニール袋に入れ密封し冷蔵庫へ。
美味しく召し上がるには1ヶ月以内に使い切るのがお薦めです。

わさびの花
わさびの花